NEC名古屋データセンターおよび、NEC神戸データセンター(二期棟)を開設
データセンタ/LAN 無料安全性・利便性の両立と高負荷・大規模のハウジング需要に対応
NECは3月28日、「NEC名古屋データセンター」と「NEC神戸データセンター(二期棟)」を開設し、2019年4月1日からサービスを提供すると発表した。
新データセンターは、ユーザの事業継続性向上やITシステム運用の効率化に加え、NECや他社のクラウドサービスとの連携による最適なシステム環境を実現する。
NEC名古屋データセンターは、名古屋駅から15分以内でアクセスできる利便性に優れた都市型データセンターだ。耐災害性や高いエネルギー効率を追求したファシリティを備え、ハウジング環境を中心にクラウドとの連携によるハイブリッド環境を実現する。
NEC神戸データセンターは、西日本のフラグシップデータセンターとして西日本エリアでのさらなる需要拡大に対応するため、二期棟を新設したという。二期棟では、需要が増すクラウド提供事業者のサービス拠点としての活用も支援する。
NECのデータセンターはNECのクラウド・データセンター間の接続はもちろん、他社のクラウドサービスとの閉域網接続により、BCP対策やデジタル技術の活用など拡大するハイブリッド・マルチクラウドニーズにも柔軟に対応する。
また両データセンターでは新たな取り組みとして、顔認証技術を活用した入館システムの自動化や、光ファイバを用いた不正侵入検知、ウェアラブル端末を活用した遠隔運用など、「安全・安心」「効率」「利便性」を追求した最新の設備を導入している。
なお、IDC社が発行した日本のマネージドクラウドサービスベンダーを評価するレポート「IDC MarketScape: Japan Managed Cloud Services 2018 Vendor Assessment」においてNECは「リーダー」に選出されている。
NECは社会ソリューション事業に注力しており、「クラウドサービスおよびデータセンター事業の強化を進めることで、お客様のビジネス拡大に貢献していく」としている。
背景
AI・IoTなどのデジタル技術を活用した新規システムの立ち上げや、既存システムの効率化による運用コスト削減、セキュリティ対策や事業継続性の確保など、デジタル化の進展によりICT環境におけるお客様のニーズは多様化している。その実現のために複数のクラウドサービスを最適な形で使い分けるマルチクラウド環境の導入も進んでいる。また、クラウド提供事業者においては、サービス拠点拡充に向け、高負荷要件に対応可能なデータセンターへの需要が増大している。
今回は、特に東海地区と西日本地区のニーズに応えるために、新データセンターを開設したという。新データセンターの特長は次の通り。
NEC名古屋データセンター
- 東海地区のユーザのITシステムを受け入れる、名古屋駅から15分以内の立地にある都市型データセンター。NECのSE・保守拠点とも至近距離にあり、地域密着型のサポートが可能。
- 免震構造の建屋や異なる変電所からの2系統受電、さらに72時間無給油連続運転が可能な自家用発電機を備えるなど、ユーザの事業継続性向上を支える。
- pPUE1.1台の高い電力効率を実現する「高温対応機器エリア」の設置や、外気を積極的に活用した省エネルギー効果の高い空調方式を採用することで、環境への配慮とコスト低減を実現する。
- 同センターはユーザのITシステムを預かるハウジング環境に加え、NECのクラウド基盤サービスとのより密接な連携を実現する。具体的には、NEC Cloud IaaSを仮想的に同一セグメントでLAN接続可能なネットワークサービスを提供する。NEC神奈川・神戸データセンターで提供しているクラウド・ハウジングのハイブリッド環境を仮想的に実現でき、ハウジング環境に設置されたシステムとクラウドとのデータ連携やシステム移行を、スムーズに行うことが可能となる。
NEC神戸データセンター
- クラウド・ハウジングのハイブリッド環境を備えた西日本エリアのフラグシップデータセンター。今回、西日本エリアでのさらなる需要拡大に対応するため、二期棟を開設。
- 二期棟では、一期棟比約2倍の電力容量の実装、高密度・大型ラックの持込みや個別のセキュリティ・運用要件に柔軟に対応し、需要が増すクラウド提供事業者のサービス拠点としての活用も支援する。
- 省エネルギーに関しては、新たに中温冷水(20℃)空調システムを導入し、外気によるフリークーリング使用期間を長くすることで、電力消費量削減を図っていく。
新データセンターを含むNECのデータセンター間では、高速の閉域網接続を提供しており、ハウジング環境同士の連携、クラウドとの連携、バックアップなど、複数のセンターをイントラネット環境として柔軟にシステム構成を組むことが可能だ。さらに、NEC Cloud IaaSとAmazon Web ServicesやMicrosoft Azureを「NECパブリッククラウド接続サービス」で閉域網接続することにより、イントラネット環境をマルチクラウド環境にまで拡張できる。
新データセンターへ実装する新たな取り組み
顔認証技術を活用した入館システムの自動化で安全性と利便性を両立
入館時に必要となる本人確認やカード発行などの人手による受付業務を、カード発行機により自動化。カード発行の際は、カード発行機に内蔵されたカメラで顔画像を登録し、本人確認時には世界No.1の認証精度を有する顔認証技術を活用し、なりすましを防止する。一度登録した顔画像はシステムで管理され、サーバ室への入室や、以降の入館にも利用可能だ。これらの仕組みにより、混雑時に受付を待つ時間の短縮や、センター内でのシステム構築時など頻繁にデータセンターに出入りする際にも、顔認証によるセキュアでスムーズな入館・入室を可能にする。
光ファイバによる振動検知を活用したさらなるセキュリティの向上
従来からの監視カメラの映像を活用した行動検知システムに加えて、光ケーブル侵入センシング技術を活用し、敷地や建屋内への侵入検知を行う。振動・温度・音響の変化を検知可能な光ファイバを活用することで、より多面的な監視が可能となる。これにより、セキュリティの向上と24時間365日の監視業務の効率化を実現する。
ウェアラブル端末を活用した遠隔運用で高品質な運用サービスを提供
スマートグラスなどのウェアラブル端末と遠隔業務支援システムを活用することで、作業員は専門の技術者のチェックを受けながら作業を行うことが可能だ。これにより、インシデント発生時にも、より迅速な解決が可能となる。将来的には、ユーザシステムのインシデント発生時にも、遠隔地にいるユーザからの指示で作業を行うリモートハンドサービスも検討しているという。