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東京メトロ丸ノ内線2000系向け「車両情報監視・分析システム」を納入【三菱電機】

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IoTを活用して運行中の列車の状態を把握

 三菱電機は2月19日、東京地下鉄(以下、東京メトロ)丸ノ内線2000系車両向けに、「車両情報監視・分析システム(Train Information Monitoring and Analysis system:以下、TIMA)」を納入したと発表した。2月23日から運用が開始される予定だという。三菱電機は「IoTとビッグデータの可視化・分析技術を駆使して、運行中の車両のさまざまな情報を収集・活用することにより、お客様サービスの向上や運行支障時の対応の迅速化、定期検査・部品交換周期の最適化を推進し、鉄道のさらなる安全・安定運行に貢献する」としている。

車両情報監視・分析システム(TIMA)の概要

 納入システムの特長は次の通り。

運行中の列車の情報を随時データセンタに集約し、車両状態の「見える化」を実現

  • 三菱電機が開発した最新の車両制御情報管理装置(以下、TIS装置)が運行車両の走行位置・車内温度・乗車状況(混雑度)など、さまざまな情報を収集
    ※TIS:Train-control Information Management System
  • 高速大容量無線通信装置により、収集した情報を随時データセンタに伝送
  • 収集した情報を蓄積することにより、過去の車両状態も含めた「見える化」を実現

乗務員と指令員間で機器状態を迅速かつ正確に共有し、運行支障時間を短縮

  • TIS装置が機器の状態を常時監視し、異常発生時には車両の現在位置や故障状況をデータセンタ経由で速やかに指令所や車両基地へ配信
  • 運転台の表示画面と同じ画面を指令所や車両基地の端末に表示し、乗務員と指令員・検修作業員間の情報共有を迅速化・正確化。スムーズで適切な処置を実現し、運行支障時間の短縮に貢献

車両搭載機器の動作データを分析し、検査項目・部品交換周期の最適化を推進

  • TIS装置が走行中における車両搭載機器の電流値や電圧値など、詳細な動作データを収集
  • 今後、収集した車両のビッグデータを分析し、検査項目および部品交換周期の最適化を推進

今後の展開

 三菱電機は「TIMAにより収集・蓄積されたビッグデータの一部は、オープンデータとして提供することが検討されており、スマートフォンのアプリなどで活用することで、お客様サービスの向上が可能となる」としており、「今後、当社はIoT技術を活用した鉄道車両の状態監視・データ分析を行うサービスを鉄道事業者に提供し、経過時間を基準とした保守業務(TBM:Time Based Maintenance)の効率化と機器の状態を基準とした保守業務(CBM:Condition Based Maintenance)を実現することで、鉄道車両保守業務の最適化に貢献する」としている。

東京メトロ丸ノ内線2000系車両