車載イーサネットケーブルの周波数特性を低価格で測定【東陽テクニカ】
DX/IoT/AI 無料ミックスモード・マルチポート・ベクトルネットワークアナライザ「MMVNA」の販売開始
~AEM Singapore社と国内販売代理店契約締結~
東陽テクニカは1月9日、AEM Singapor社と国内販売代理店契約を締結したと発表した。東陽テクニカは同日より、ミックスモード・マルチポート・ベクトルネットワークアナライザ「MMVNA」を、車載イーサネットケーブルの品質を検査する自動車メーカーおよびワイヤーハーネスメーカーに向け、販売を開始する。「MMVNA」は、車載イーサネット用ケーブルの周波数特性を測定し、ケーブルが車載要件を満たすか確認するために使用するベクトルネットワークアナライザだ。販売価格は税別1,045,000 円(ディスプレイ&カバー付き本体)。
東陽テクニカは、車両搭載が進む車載イーサネットに関するテストソリューションを多数販売しており、今回、物理レイヤの試験測定器である「MMVNA」をラインアップに加えることで、物理レイヤからアプリケーションレイヤまで多層的なテストソリューションの提案ができるようになった。同社は「車載イーサネットのトータルテストソリューションの提供を強化し、事業の拡大を一層図っていく」としている。
車載イーサネットは、自動運転やコネクテッドにより大容量化するコンテンツを高速に伝送できる車載ネットワークの基幹回線として、導入範囲がますます拡大することが予想される。車載イーサネットには、コストと重量の面からシールドされていないツイストペアケーブルが使われるが、シールドがない分、ノイズ耐性と共に周辺ケーブルへの漏話影響が問題になる。また、ケーブルを細くし軽量化すると、信号の減衰が大きくなる問題が生じる。燃費向上のために軽量化が進む自動車に搭載するには、コストと重量を抑えながらこれらの問題を解消するケーブルの開発・製造が求められている。さらに、安全性を担保するため高品質・高信頼性が求められ、ケーブル1 本1 本、コネクタ1 個1 個の特性を把握する必要がある。
ミックスモード・マルチポート・ベクトルネットワークアナライザ「MMVNA」は、ツイストペアケーブルに代表される平衡デバイスの周波数特性が測定できる8 ポートのベクトルネットワークアナライザだ。挿入損失、反射損失、漏話減衰などケーブルの特性を表すパラメータの測定ができ、ケーブルが車載要件を満たしているか確認することができる。また、2 台の「MMVNA」を接続して仮想的に1 台として動作することが可能なので、合計16 ポートまで拡張でき、複数のケーブルを束ねるワイヤーハーネスの測定を効率化できる。車載要件を満たす最適なケーブルの開発・製造・品質の維持・向上に貢献する。また、データ収集とデータ解析は、USB ケーブルで接続したパソコン内の専用ソフトウェアで行う仕組みとすることで、小型かつ低価格を実現、投資コストの低減に寄与する。
東陽テクニカは「MMVNAの販売を通じ、車載イーサネットの品質・信頼性の向上、ならびに普及に貢献していく」とコメントを出している。