NECとウフル、IoT領域で協業
DX/IoT/AI 無料顧客のデータ活用型の新事業創出を支援
NECとウフルは1月8日、IoT領域での協業に合意したと発表した。
両社は、企業におけるIoTデバイスの適切な運用管理、デバイスから得られるデータ活用の支援のため、NECのIoT基盤 「NEC the WISE IoT Platform」とウフルのIoTオーケストレーションサービス「enebular(エネブラー)」の連携に向けた共同開発および販売促進活動、これらを活用した顧客の新事業創出支援を共同で行う。この協業成果を盛りこんだ「enebular」は、2019年1月下旬からサービス提供を開始するという。
協業背景・概要
使用している機器から得られるデータの活用による業務効率化、省エネ/省人化促進、コストダウンを実現するため、使用機器のIoT化を進める企業が増加している。IoT化により、データ収集や可視化、AIによる高度で多角的な分析といったデータ活用が可能となる一方、サイバー攻撃の標的となるリスクが生じ、こうした脅威からIoTデバイス及びデータを保護し、セキュアに運用・管理する仕組みが重要視されている。
このような動向において、ウフルはIoT製品やIoTサービスづくりを支援する開発・運用サービスとして「enebular」を提供しており、アプリケーションやソリューションの開発、シームレスなシステム連携による、顧客データの容易な活用を実現している。
NECはIoT Device Security Manage、軽量暗号 開発キット、SecureWare/Credential Lifecycle Managerに代表されるIoTセキュリティ製品を提供しており、IoTシステムに欠かすことのできない高いセキュリティの確保を実現している。
ウフルとNECは「本協業では、両社の強みを組み合わせ、IoTデバイスのセキュアな管理・運用と、IoTアプリケーションの開発・導入をスピーディかつ安全に実現する。更に、効率的なデータ収集と最先端AI技術が活用可能な“NEC the WISE IoT Platform”でenebularを活用することにより、デバイス領域からクラウド領域までの統合的な運用環境を提供し、デバイスから取得するデータの管理・運用による、顧客の新たな価値創出を支援する」としており、「本協業により、既存顧客への新たな価値提供ならびに新規顧客の開拓を強化し、2019-2020年度の2年間で20億円の売上を目指す」とコメントを出している。
協業施策
「enebular」と「NEC the WISE IoT Platform」連携に向けた開発協業
「enebular」の開発協業により、「enebular」が有するArm Mbed OS搭載のIoTデバイス(以下、Armデバイス)へのソフトウェア配布・デバイス管理機能にNECの保有するソフトウェア配布機能を組込み、高効率なソフトウェアの配布機能を実現する。「NEC the WISE IoT Platform」で「enebular」を活用することにより、Armデバイスの運用環境として活用でき、取得したセンサデータは、「NEC the WISE IoT Platform」に収集・蓄積することで、AI技術群「NEC the WISE」と連携したさまざまな分析が可能となる。例えば、スマート家電に内蔵されたArmデバイスが収集する各種センサデータをAI分析することにより、故障の予兆を検知するといったことが可能となる。
さらに、「enebular」とNECのIoTセキュリティ技術を組み合わせ、お客様のIoTデバイス及びデバイスから取得されるデータの運用、デバイスの開発から廃棄に至るまでをセキュアに管理するサービスを提供していく。
「enebular」を活用した販促活動、及び新事業創出支援
両社は互いの販売チャネルを活用し、「enebular」を活用したIoTソリューションの販促活動及び、顧客の新事業創出活動を支援する。主に製造業や流通業を含む民間企業に対し、お客様の開発する製品やデバイスの運用管理の効率化、製品やデバイスから取得するデータを活用した新たなビジネス創出を支援する。
また、本協業に先立ち、NECは2018年6月、IoT領域でのウフルとの事業連携強化を図るため約5億円の出資を行っている。