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400GbE PAM4 BER測定を1台でサポート【アンリツ】

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業界最高レベルの信号品質と受信感度を実現

新たなモジュールが追加されたMP1900A

 アンリツは11月21日、400GbEおよび400Gを超えるビットエラーレートテストをサポートする、64 Gbaud PAM4パルスパターン発生器(Pulse Pattern Generator; PPG)および32 Gbaud PAM4 エラーディテクタ(Error Detector; ED)の販売を開始する。
 同製品は、アンリツのシグナル クオリティ アナライザ-R MP1900Aシリーズ用新モジュール。MP1900Aシリーズに搭載することで、次世代大容量通信のビットエラーレートを、業界最高レベルの信号品質と受信感度で評価できる。

開発の背景

 次世代5Gモバイル通信やクラウド通信サービスの普及により、データ通信トラフィックのさらなる増大が予想されている。これにともない、そのインフラとなるデータセンタなどでは、高速化に加え、PAM4やマルチレーンを用いた伝送容量の拡張が検討されている。
 400GbEは、26.5625 Gbaud PAM4 x 8レーン、53.125 Gbaud PAM4 x 4レーンの伝送方式によって実現される。4値の振幅レベルで情報を表すPAM4方式では、NRZ方式に対して信号レベル間の差が1/3となり、高baudレート化にともない1シンボルの単位時間は短くなるため、高速伝送を実現する上でテスト信号の品質の重要度が増している。また、マルチレーン化や集積設計によりクロストークやノイズなどに起因する信号品質の劣化が避けられなくなっており、劣化要因のストレスを加えたテスト信号による最小受信感度評価の要求が高まってきている。
 そこでアンリツは、業界最高レベルの信号品質を実現した64 Gbaud PAM4 PPGと、高感度性能の32 Gbaud PAM4 EDを開発し、高速・大容量伝送を支える機器やデバイスの評価に対応した。

開発商品の概要

 シグナル クオリティ アナライザ-R MP1900Aは、高度な信号発生と信号性能の解析をサポートし、400Gを超える通信速度に向けた、市場をリードするビットエラーレートテスタ。
 今回販売を開始した最大64 GbaudのPAM4信号を出力できるPPGモジュールは、高品質信号性能の要求へ応え、業界最高レベルのTr/Tf(20-80%)時間8.5 ps(代表値)、低残留ジッタ170 fs(代表値)を実現した。また、4chまで拡張可能なマルチチャネル機能、伝送路損失による信号劣化を補償するためのエンファシス機能も備えている。
 32 Gbaud PAM4 EDモジュールは、23 mV(代表値)の高感度性能を実現しているとともに、受信感度評価で必須となるクロックリカバリ機能を内蔵し、PAM4シンボルエラー測定に対応した。
 これにより、これまで信号品質の不足によって正しく評価できなかった400GbE用光モジュールやデバイスの実力やスペックに対するマージンを、より正確に検証することができる。
 また、マルチチャネル機能により、測定器導入計画に合わせた拡張を可能にするとともに、複数レーン同時測定による測定時間短縮に貢献する。さらに、ジッタ、ノイズ付加機能と組み合わせて、受信感度評価に必要な機能を1台に搭載したシンプルで構築が容易な測定ソリューションによって、開発および検証効率の改善に貢献する。