「マルチキャリア対応音声IoTゲートウェイ」を販売開始【OKI】
DX/IoT/AI 無料固定網やPHSからLTEへのマイグレーションを実現
OKIは11月14日、主要な通信事業者に対応したLTEモジュールを内蔵した「マルチキャリア対応音声IoTゲートウェイ(以下、音声IoT-GW)」の販売を開始した。「音声IoT-GW」は、アナログ回線インターフェースと電話機能を搭載しているため、既存設備に変更を加えることなく、LTE回線を用いたIPネットワークへのマイグレーションを実現することが可能だ。また、LANやUSBなどのインターフェースも備えているため、新たなIoTサービスへも柔軟に対応する。OKIは「固定網やPHSからのマイグレーション市場や、LTEを用いた遠隔制御・監視などのIoTサービス市場に向けて、今後5年間で25億円の販売を目指す」としている。
2020年にはテレメタリングプランを除くPHSのサービス終了が、そして2024年には固定電話網のIP網移行によるISDN回線デジタル通信モードの終了が予定されている。これらの回線接続を利用してきたシステムでは、その多くがIPネットワークへ移行すると考えられるが、システム変更のコストを軽減するため、機器やセンターの構成を大きく変更することなく、LTE回線へ更改することが強く求められている。さらに、回線費用の削減や回線工事期間の短縮のために、光回線やメタル回線から用途に応じてモバイル回線へ乗り換えるニーズも高まっている。
OKIは通信業界で長年培ってきた技術を活かし、「音声IoT-GW」では、アナログ回線インターフェースを2ポート備えることにより、固定網やPHSのアナログ回線インターフェースを搭載した既存の機器に変更を加えることなく、LTE回線を用いたIPネットワークへのマイグレーションを実現する。また、電話機能を搭載しているため、保守者不在の無人設備や遠隔制御・監視などの現場からの問い合わせ電話など、音声通話による対応が可能だ。さらにLANやUSBや接点インターフェースを備えているため、センサーデバイスなどの各種IoT機器が接続可能となっており、マイグレーションだけでなく新たなIoTサービスにも柔軟に対応できる。
「音声IoT-GW」は、小型・省スペース設計となっているため、ATMブースへの内蔵など、既存の各種装置への柔軟な組み込みが可能。さらにオプションとしてバッテリー内蔵も可能としているため、停電時における通話確保やIoT機器からのデータ受信とバックアップ送信など、緊急時にも一定時間の動作確保が可能だ。
OKIは「今後モバイル回線の普及が見込まれる、幅広いIoT市場に向けて、業種や業態、業界を問わず、本商品を積極的に販売していく」としている。
「マルチキャリア対応音声IoTゲートウェイ」の活用分野
アナログ回線のマイグレーション
- ATMおよび周辺機器(警備装置、カメラ、問い合わせ用オートホンなど)の接続回線をマイグレーション
遠隔制御・監視などのIoTサービスと遠隔からのエンドユーザーのサポートを兼ね備えた分野
- 工事現場の監視カメラや警報器など幅広いIoT機器の収容と現場の音声サポート
- 無人パーキングなどの遠隔監視と利用客への音声サポート