光通信、映像伝送ビジネスの実務者向け専門情報サイト

光通信ビジネスの実務者向け専門誌 - オプトコム

有料会員様向けコンテンツ

光ファイバ・テスタの新製品「OptiFiber Pro HDR OTDR」を提供開始【フルーク・ネットワークス】

テレコム 無料

アウトサイド・プラント、PON、FTTx向け高ダイナミック・レンジ、マルチ波長シングルモードOTDRがVersivファミリ製品として新登場

 フルーク・ネットワークスの日本法人であるTFF フルークは11月9日、OTDR認証テスタ「OptiFiber Pro OTDR」シリーズの新製品として、「OptiFiber Pro HDR OTDR」を発表した。提供開始は11月12日。価格は120 万円~(税別)。年間販売目標台数は200 台をめざすという。
 本体のVersivプラット・フォームにアウトサイド・プラント(OSP:屋外通信設備)向けシングルモードHDR OTDRモジュールを装着した「OptiFiber Pro HDR OTDR」は、データセンタ、OSP、FTTx、および PON環境向けのTier2(拡張)光ファイバ認証ソリューション。モジュラ設計によりメタル配線認証およびOLTS (Optical Loss Test Set)認証試験に対応しているVersiv製品を所有しているユーザは、HDR モジュールを購入・交換するだけで新たなビジネス展開にも簡単に対応できる優れた拡張性を有している。

市場ニーズに応え、より簡単な操作と自動化試験を実現した光ファイバ・テスタ

OptiFiber Pro HDR OTDR

 OSPのバックホールおよびロングホール・サービス、P2P、PON、ファイバ・ツー・ザ・プレミス配線に対応し、高ダイナック・レンジの性能が要求される シングルモード光ファイバ・アプリケーション・テストでは、適切な情報を得るための設定が熟練技術者でも苦労する極めて専門的な知識と経験が必要とされてきたため、現場作業の課題だった。そのため、だれでも簡単にアプリケーションの試験・トラブルシューティング/レポーティングが自動的にできるOTDRが市場から望まれていた。「OptiFiber Pro HDR OTDR」 は、このニーズに応えるために開発された、1490nm、1625nm および1310/1550nm の組み合わせに対応した、最大42dBダイナミック・レンジ、最大測定距離レンジ 260kmの3つの新しいシングルモード・モジュールを使用することのできる OTDR 。
 「OptiFiber Pro HDR OTDR」は自動PON OTDR機能によるスプリッターの自動識別やエキスパート手動モード(OTDRの自動設定を簡単に変更して装置性能を最適化できる機能)、マクロベンド自動検出など、様々な現場での要望に対応した多くの新機能を搭載している。さらに自動セットアップ、ピンチ/ズームによるトレース解析、Event Map(イベントマップ)による結果の自動解析などの画期的な機能も追加され、専門家と同等の解析能力に基いた障害箇所の場所特定やその原因の識別が可能だ。このような効率的な自動解析機能、間違いを徹底して排除するProjX(プロジェックス)管理システムと設定ガイダンス機能、さらに認証試験用テスタでは業界唯一のスマホ感覚の効率的なインターフェースを採用することでメタル線及び光ファイバ・ネットワーク配線の試験、認証、保守にかかるコストの65%削減がレポートされたVersiv ファミリ製品をベースにした「OptiFiber Pro HDR OTDR」 は、アウトサイド・プラントの認証試験に携わるすべてのネットワーク技術者、請負工事業者、敷設工事業者およびネットワーク・オーナーの需要を満たすものとなる。
 フルーク・ネットワークスは「すでに業界でも主要な配線認証ツールとして認知されているVersiv ファミリ製品の一つであるOptiFiberPro OTDR シリーズの機能強化にこれからも継続的な取り組みを行い、アウトサイド・プラント、データセンタや大規模企業ネットワークの現場技術者の生産性の大幅アップと光ファイバ・ネットワークの信頼性をさらに高めるようにしていく」としている。
 「OptiFiber Pro HDR OTDR」の主な機能は次の通り。

主な特長

ventMap でのスプリッタ表示画面

  • ピンチやズームなどのジェスチャー操作が可能な独自のTaptive (タップティブ) ユーザ・インターフェースにより、あらゆるレベルの技術者が簡単な設定で高度なデータ解析が可能になる。
  • SmartLoop OTDRを使用すると、片端から 2 本の光ファイバの自動テストと自動解析を 1 度の操作でできるため、わざわざテスタをリンクの遠端まで移動してテストを実施する必要はない。この「SmartLoop」機能では、従来、時間と手間のかかった双方向の光ファイバ配線試験を1回の操作で 2本の光ファイバ・リンクの双方向試験を行える。双方向試験をするために、光ファイバ配線の遠端までテスタを持ち運ぶ必要性がなくなった上に、2芯光ファイバ配線試験時間を50%短縮することにも成功。平均化機能も搭載し、合格すべき結果が間違って不合格になる可能性も排除され、より確実な測定を実現している。
  • 多数の波長 (850、1300、1310、1490、1550、1625 nm) でさまざまなアプリケーションに対応する。
  • スプリッタを自動的に見つけるスプリッタ検出機能を装備。最多3個のスカスケード構成のスプリッタを検出、あるいは手動で構成ができる。
  • 自動的に曲げを識別するマクロベンド検出機能を装備している。
  • エキスパート手動モードにより、さまざまな設定を簡単に選択して試すことができるため、トレースの特定部分に焦点を絞って試験をすることができる。
  • イベントの編集または追加機能を装備しており、OTDR で検出されない0 dBイベント (良好なスプライスなど) を追加することや、イベントを正しい種類 (APCコネクタ、スプライス、または損失イベントなど) に変更することができる。
  • 長い光ファイバの特定の短い区間を選択して解析ができる。スパン機能を利用すると、ファイバ・リンクの中の担当する区間だけをテストできる。
  • スタック(重ね表示)可能な結果とトレースのバッチ処理。同一ファイバに対し一度に複数のテストをする場合、バッチ処理を行うことで、複数のトレースを重ねて表示して違いを確認できる。また、イベントを素早く一括編集できる。
  • Linkware Live を使用することで、離れた場所から作業の進捗状況を追跡し、リアルタイムでテスト結果にアクセスして現場の問題を迅速に解決できる。また、テスタから LinkWare PC ケーブルテスト管理ソフトウェアにテスト結果を素早く転送/統合できる。

主な性能

  • クイック・テスト・モードでは、最短 2 秒でテストを完了。
  • 事前にプログラムされた設定により、データセンタの光ファイバを素早くテストできる。
  • 自動 OTDR モードで重要なパラメータ (レンジ、パルス幅、平均化時間など) を設定することで、誰でも専門的なテストを行える。エキスパート手動モードを使うと、これらパラメータを簡単に変更し、重要な情報に焦点を絞ることができる。
  • デッドゾーンが非常に短いため、短いパッチ・ケーブルやコネクタが多く使用されているデータセンタの光ファイバ・リンクでも効率的にトラブルシューティングできる。
  • EventMap(イベントマップ) のグラフィカルな表示により、すべてのリンク領域における損失の大きなコネクタ、スプライス性能を確実に把握できる。
  • 光ファイバ・コネクタ端面の認証試験による合否判定ができる。
  • 損失リミット値を適用しない記録のみを目的としたドキュメント・オンリー・レポートの生成が可能。
  • ProjX 管理システムで設定ミスを低減し、無駄な手戻りを減らすことによる投資効果と利益の増大を図ることができる。
  • すべての光ファイバ・タイプの障害を素早く正確に特定することで、ネットワークのダウンタイムを低減する。
  • 内蔵の可視光源 (VFL) により、破損した光ファイバを簡単に識別できる。

 フルーク・ネットワークスは「クラウドサービス普及時代を迎えて、ますます増大する光ファイバ配線の、煩雑な認証作業のコスト削減の要求に応えるため、OptiFiber Pro HDR OTDRは、その簡単なタッチパネル操作と多様な自動設定機能の搭載により、敷設現場技術者ならびにネットワーク・インフラの運用にあたる企業内IT技術者の方々にとっても、作業効率大幅アップのための強力なサポートツールとなる。さらに、プロジェクトの進捗確認が容易となるプロジェクト管理ツールも内蔵され、複数作業者間での費用対効果の高いツールの共通利用によるコスト削減に加え、無償提供のケーブルテスト管理ソフトウェア“LinkWare(リンクウェア)PC”により、レポート作成やテスト結果の容易な統合が迅速に行え、ワークフロー管理の負担軽減にもつながる」としている。