20Gbps高速信号対応 超低消費電力 汎用リドライバ新製品【ザインエレクトロニクス】
DX/IoT/AI 無料USB3.2に対応可能なシグナル・コンディショニング機能を小型パッケージ化した汎用リドライバ製品
ザインエレクトロニクスは8月7日、USB3.2のデータ伝送速度である最大20Gbpsの高速信号に対応可能な4チャネルのシグナル・インテグリティ確保を実現する超低消費電力 汎用リドライバ新製品THCX422R10を開発したと発表した。9月よりサンプル出荷を開始するという。
同社は、昨今の大容量データ伝送を高速に実現するUSB3.1 Gen2、ThunderboltやDisplayPort1.3等のCML(Current Mode Logic)方式を用いた10Gbps程度の高速信号に対して、シグナル・インテグリティ確保用デュアル・チャネル汎用リドライバ製品THCX222R10を量産出荷している。今回の新製品は、更に2倍の20Gbpsとなるデータ伝送帯域を1チップで実現できる超低消費電力 汎用リドライバTHCX422R10。この製品は、昨年USB Implementers Forum, Inc.が発表したUSB3.2の最新規格を満たし、USB3.2の伝送路を構成するUSB-Cコネクタおよび同ケーブルを流れる高速信号のシグナル・インテグリティ確保が可能だ。また、Thunderboltの10Gbps×2チャネルのシグナル・インテグリティ確保をTHCX422R10 1チップで構成できる。
新製品の特長は、10GbpsのCML採用高速伝送インターフェースに対応する4チャネルのシグナル・コンディショニング機能を小型の42ピンQFNパッケージ(3.5mm×9mm)に搭載した点だ。この小面積化により、ユーザはシグナル・インテグリティを改善したいCML採用高速伝送インターフェース伝送路に同デバイスを挿入するだけで、信号品質の改善を図ることができる。同デバイスのシグナル・コンディショニング機能であるイコライザのゲイン設定は、外部ピンで16段階切り替える仕様であり、ユーザは入力波形のゲイン補正量を細かく調整できる。このデバイスは3.3V単一電源で動作し、4つの動作モードを準備していることから、インターフェースの動作状況に従いデバイスを適切な動作モードへ切り替えることで超低消費電力も実現できる。
この新製品THCX422R10の開発に当たり、ザインエレクトロニクス 代表取締役社長の高田康裕氏は「市場で用いられているCML採用の高速伝送インターフェースの信号品質課題に対し、当社は保有するシグナル・コンディショニング技術を応用し、小型1チップで複数のインターフェース共通の課題を解決するために、5Gbps向けにはTHCX222R05、10Gbps向けにはTHCX222R10、20Gbps向けにはTHCX422R10の製品ラインナップを準備した。PC・モバイル用途はもちろん、左右両眼各4Kの高解像度によるAR / VR / MRなどの情報伝送ニーズにも対応して、通常よりも長距離への情報伝送や、より細いフレキシブルなケーブルによる伝送、より安価なケーブルでの伝送などが可能になる。本製品の市場投入に加え、さらに多機能なリドライバの後継製品ラインナップを拡充していくことにより、今後ともV-by-One HSやCML採用の高速伝送インターフェースを使用するお客様の製品の付加価値の向上に貢献し、お客様の更なるニーズにお応えするソリューションを提供していく方針だ」とコメントを出している。
THCX422R10の特長
- CML対応リドライバ機能 (1入力1出力×4チャネル)
- 受信側イコライザ機能 最大+14.8dB@5GHz
- 送信側出力振幅制御機能
- 3.3V単一電源駆動
- パッケージ:QFN 42ピン(3.5mm×9mm, 0.5mmピッチ、Exposed Pad)