650mW光出力LDモジュールの量産を開始

　アンリツは７月３日、EDFAおよびFRAの励起用光源として使用される650mW高出力/低消費電力版1.48μm FP LDモジュール/1.4μm FBG LDモジュールを開発したと発表した。既に7月2日から量産出荷している。対象市場は光ファイバアンプメーカ。用途はEDFAおよびFRA向け励起用光源。

　今回商品化した光源（LDモジュール）は、ファイバアンプ励起用として世界最高となる650ｍWの光出力を実現している。環境性能にも優れ、総消費電力は15.5W以下という低消費電力で使用できる。
　映像配信市場向けEDFAや長距離100G/400Gデジタルコヒーレント伝送用FRAでは、急増しているデータトラフィックへの対応や光ネットワークの長距離化を効率よく行うために、ファイバアンプ励起用LDモジュールのさらなる高出力化、低消費電力化が課題となっている。
　アンリツは、新開発のLDモジュールによりこの課題解決に貢献し、長距離ネットワーク伝送のさらなる効率化に貢献する。

開発の背景

　スマートフォン・タブレットおよびLTE等の4Gの普及、HD（高精細）映像などの高品質なコンテンツの流通、医療を含む多様な情報のデジタル化など、データトラヒック量は増大の一途をたどっている。
　また光ファイバ網では、コストメリットの観点から、中継局の数を減らしながらもより長い距離の光伝送を可能にする試みが進展している。
　これにともない、ファイバアンプ励起用LDモジュールのさらなる高出力化、低消費電力化が求められている。
　アンリツは以前から光出力500ｍWまでのLDモジュールを提供しており、ユーザからの要求に応えるために、長年蓄積してきた光デバイス開発の技術を基盤に、飽和光出力を改善しつつ消費電力を抑制できるモジュール構造を確立したという。さらにFBG LDモジュールでは広い光出力範囲において光強度およびスペクトル形状を安定化させる構造も実現し、ファイバアウト光出力650ｍW、総消費電力15.5W以下のLDモジュールの開発に成功した。

製品概要

　1.48μm FP LDモジュール/1.4μm FBG LDモジュールは、光通信ネットワークには欠かすことができないEDFAおよびFRA用励起用光源。PDおよびクーラを内蔵した14ピンバタフライパッケージであり、世界最高の光出力650mW、総消費電力15.5Wを実現している。
　FBG LDモジュールはFBG波長1420～1470nmに対応している。