NTTのネットワークスライス実証実験に貢献【NEC】
テレコム 無料状況に応じた適切なネットワークの利用を促進
NEC3月24日は、NTTが策定する将来の通信ネットワークの技術開発に関するコンセプト「NetroSphere(ネトロスフィア)構想」の実現に向けた実証実験に貢献したと発表した。
NetroSphere構想は、ユーザやサービス事業者の要望に応じた機能を持つネットワークを柔軟に、経済的に構築するもの。
NTTの研究所による本実証実験は、NetroSphere構想の実現に必要な、「ネットワークスライシング技術」の検証を行なった。ネットワークスライシング技術は、ネットワークを仮想的に分割し、サービスの要求に合わせた仮想ネットワークを即座に提供できるようにするものだ。
この技術を確立することで、サービス事業者は、必要なネットワークリソースを必要な期間だけ利用することができるようになるなど、多様なサービスを低コストで実現することが可能となる。
この実証実験では、各端末の通信(トラフィック)状況に基づき、トラフィックを適切なネットワークに動的に振り分ける機能の実証を行なった。NECは、各端末のトラフィックの識別やネットワークへの振り分けを行う「vCPEソリューション」と、端末のトラフィックに応じて振り分けのルールを動的に変更する「IoTサービスイネーブラ」を提供し、NTTの実証実験に貢献したという。
NECのvCPEソリューションは、ルータなどの宅内通信機器が行っていた通信経路選択やネットワークアドレスの変換などの機能をNFV(ネットワーク機能の仮想化)によって実現することで、ネットワークの規模や端末数に合わせて機能を柔軟に拡張できるため、ネットワークの高度化に貢献できる。
また、IoTサービスイネーブラは、3GPPで標準化された移動体通信向けのネットワーク機能との連携も可能で、ネットワークの状況把握や通信帯域の制御などを実現する。これにより、固定通信と移動体通信の双方に対し、高度なネットワークの提供に貢献できる。将来的には、ネットワークの状況把握と分析に人工知能(AI)を活用していくという。
NECは「このたびの実証実験での実績を活かし、IoTサービスイネーブラやvCPEをはじめとした通信ソフトウェア、ネットワーク仮想化ソリューションを国内外に拡販していくことで、SDN/NFV適用を推進し、通信事業者の高度な通信サービスの実現に貢献していく」としている。