NECは1月20日、香港とグアムを結ぶ総延長約3,900kmの大容量光海底ケーブルシステム「HK-G（Hong Kong Guam Cable System）」の建設請負契約をRTI Connectivity社（本社：シンガポール、以下 RTIC）と締結したことを発表した。
　この海底ケーブルは2020年1月に稼働開始する予定だ。一波長あたり100Gbpsとなる最新の光波長多重伝送方式に対応しており、建設時設計容量として48Tbpsの伝送が可能だという。なお本契約には、海外通信・放送・郵便事業支援機構（JICT）の資金などが活用される。

海外ケーブル「HK-G」ルート図

　HK-Gは、2015年3月からNECが建設を手掛けている、東南アジア～米国を直接結ぶ光海底ケーブル「SEA-US」とグアムで連結する予定だ。これにより、東南アジアと米国だけでなく、中国や香港と米国の通信ネットワークの拡充にも貢献する。さらに、他の域内海底ケーブルとの相互補完によりネットワークの冗長性が高められ、大容量・高信頼な通信を実現する。
　NECは、過去40年にわたり海底ケーブルシステム事業を手掛ける海底ケーブルのトップベンダで、地球6周分のべ25万kmを超える敷設実績があり、日本を含むアジア・太平洋地域で強みを有している。陸上に設置する光伝送端局装置・光海底中継器・光海底ケーブルなどの製造、海洋調査とルート設計、光海底ケーブルシステムの据付・敷設工事、訓練から引渡試験まで、全てをシステムインテグレータとして提供している。なお、深海8,000メートルの水圧に耐えられる光海底ケーブルは、日本で唯一製造可能なNECの関連会社であるOCCが担当している。NECは今回の契約について「これまでの納入実績に加え、最先端の技術力、およびプロジェクト遂行力が高く評価されたものと考えている」としている。