4CC CAやLAA機能にも対応

アンリツは11月7日、LTE-Advanced / LTE-Advanced Pro（以下、LTE-A Pro）の下記試験を可能とする、シグナリングテスタMD8430Aのオプションを開発し、10月24日から販売を開始したことを発表した。（対象市場：チップセットメーカー、モジュールメーカー、携帯端末メーカー、通信事業者。用途：チップセット/モジュールや携帯端末の開発、通信事業者の端末機能受入試験）

•LTE DL 4キャリアアグリゲーションオプション
MD8430A-088

•LTE Licensed Assisted Access（LAA）オプション
MD8430A-072

•LTE Dual Connectivity オプション
MD8430A-073

•LTE DL 8×4 MIMOオプション
MD8430A-076

•LTE 8×4 MIMOフェージングオプション
MD8430A-059

•LTE UL 2×2 MIMOオプション
MD8430A-078

　シグナリングテスタMD8430Aは、LTE/LTE-Aに対応した基地局シミュレータであり、チップセットやデータ端末の開発に必要とされる擬似ネットワークを机上で構築できる。さらにフェージング環境を擬似的に構築でき、端末の実効通信速度を検証できる。
今回の機能追加により、MD8430AでLTE-A Pro端末への対応を実現した。上記オプションを搭載したMD8430Aを使用することにより、4キャリアアグリゲーション（CA）、LAA、Dual Connectivity、DL 8×4 MIMO、DL 8×4 MIMOフェージング、UL 2x2MIMO試験環境下でLTE-A Pro端末の実効通信速度を検証できる。
　アンリツは「今後もMD8430Aの機能追加を図り、LTE-A Proサービスの更なる発展に貢献していく」としている。

開発の背景

　LTE-A Proは、通信帯域幅を拡張するキャリアアグリゲーション（CA）に加え、複数のアンテナを用いることにより、静止/低速移動時で3 Gbps以上、高速移動時で最大1 Gbpsのデータ通信を可能とする移動通信システムだ。
　LTE-A pro端末の開発では、下記の検証が重要な評価項目となっている。

• 高スループット化に伴いコンポーネントキャリア（以下、CC）の数を増やした環境下における検証
• 限られた周波数資源でもCC数に依存することなくスループットを向上させるために複数の基地局からデータ送信するDual Connectivityの検証
• アンライセンスバンドを移動通信用に使用するためにライセンスバンドとアンライセンスバンドをキャリアアグリゲーションするLAAの検証
• 高スループット化に伴い高次化したMIMOやUplink MIMOの検証
• MIMOフェージング環境下の実効通信速度の検証

　これらの機能検証向けに、アンリツはシグナリングテスタMD8430Aの機能を拡張した。

　

製品概要

　シグナリングテスタMD8430Aは、LTE-A Proに対応した基地局シミュレータ。今回開発した機能を使用することにより、4CA技術、LAA技術、Dual Connectivity技術、8×4 MIMO、8×4 MIMOのフェージング、Uplink MIMOを搭載したLTE-A Pro端末の擬似ネットワークを構築し、LTE-A Pro端末の実効通信速度を検証できる。 MD8430Aのフェージング機能は、アンテナ間の相対レベル確度に優れており、実際のネットワークでは困難な再現性の高いフェージング環境を構築できる。加えて、チップセット開発の上流工程での不具合修正に必要なスロークロック試験もサポートしている。
　また、MD8430Aは、同一バンド内であれば複数の信号を出力できる。これにより、同一バンド内でCC数が増えることにより送信信号数が増えた場合でも、検証に必要なMD8430Aの台数を減らすことが可能だ。
　さらに、グラフィカルユーザインターフェースを採用したテストケース作成ツールであるラピッドテストデザイナ（RTD）を組み合わせて使用することにより、MIMO環境での基地局シミュレーションに必要なテストケース（試験項目）を簡単に作成でき、実際の基地局では再現困難な通信環境など、さまざまな検証環境を効率良く構築できる。またMD8430Aでフェージング機能を対応したことにより、同一インターフェースでフェージング機能を制御するため、移動通信試験と同期したフェージング制御が可能だ。