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札幌市消防局の災害対応用基幹ネットワークをSDNで構築【NEC】

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非常時でも通信を継続する高い可用性を実現

 NECは7月4日、札幌市消防局の災害対応用システムにおいて、SDNを活用した無線と有線で構成された災害対応用基幹ネットワークを構築したことを発表した。
 今回のネットワークは、IPのシステムも収容可能なため、従来使用されていた独自通信規格のシステムをIP化する際も、順次収容することが可能だ。
 これにより、災害発生時に通信不能となるリスクを軽減するとともに、柔軟な変更・拡張性を実現する。多重無線におけるSDNを活用したネットワークの構築は初めてとなる。
 本システムはヘリコプターからの映像伝送システム、高所・局舎監視カメラ、災害発生時に対策本部が利用するためのテレビ会議システムなどの複数のシステムにより構成され、SDNを導入したことにより、既存の独自通信規格とIP通信を併存させた段階的なシステム変更が可能となる。将来、システムの高度化に向けてSDNの拡張性を活かし、柔軟に対応することも可能だという。
 NECは社会ソリューション事業に注力しており、SDNを活用したシステムを国内外で600以上納入している。

背景

 災害対応用システムは、災害状況を正確に把握し、迅速かつ的確な情報収集、伝達することが必要であるため、極めて高度な可用性が求められる。そのため、特に災害発生時に利用するシステムに関しては、既存の通信サービスではなく、独自に整備した自前の通信網で構築してきた。近年、システムのIP化が急速に進んでおり、順次IP化していくシステムを収容していく必要があった。
 今回、NECは各種防災システムのIP化に対応するとともに、SDNの自動迂回機能を活用して、災害時でも可用性の高い災害対応基幹ネットワークの構築を行なった。

今回の構築システムの特長

システムのIP化に対応

 SDNコントローラ(UNIVERGE PF6800):2台、SDNスイッチ(UNIVERGE PF5200シリーズ):3台などを導入し、災害対応用ネットワークの一部をSDN化し、今後システムがIP化された場合、収容できるようになっている。SDNを導入した消防指令システム、ヘリコプターからの映像伝送システム、高所カメラ、局舎監視カメラ、災害発生時に対策本部が利用するためのテレビ会議システムなどの各システムは仮想ネットワーク(VTN)により、セキュリティを担保しつつ分離されている。

段階的なシステム移行が可能

 SDNを導入することにより、これまで独自の通信規格で構築されていた災害対応システム用の通信ネットワークを段階的にIPへ移行することが可能となる。これにより、全面IP対応のネットワークの実現とシステムの高度化に向けた、更新や追加に柔軟に対応可能だ。

高度な可用性を実現

 災害発生時に機器にトラブルが発生しても、自動で迂回ルートに切り替えて、通信を継続させることができるため、通信状態が止まることの許されないシステムに、高度な可用性を実現する。

札幌市防災系基幹ネットワーク概略図