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データセンタ冷却用高性能ヒートパイプの開発【フジクラ】

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 フジクラは10月26日、データセンタ冷却用に、サーバ向けCPUの大発熱量化に対応したヒートパイプを開発したと発表した。
同社は「当社従来品よりも最大熱輸送量を約2倍に向上した」としている。

 データセンタでは、5GやAIの普及による高速通信化にともない、サーバのCPUも高性能化が進んでいる。CPUは高性能になる程発熱量が増加し、能力を発揮するには高い冷却機能が必要になる。対策として高性能な液体冷却システムは有効だが、設備費用が高額になるため、ヒートパイプを利用した従来の安価な空冷システムの更なる高性能化が求められている。
 ヒートパイプは、内部に封入された作動液体が加熱と冷却によって気体と液体へ繰り返し変化しながら内部を循環し、熱を移動させる。さらなる高性能化のために、今回、ヒートパイプの作動液体を還流するための内部毛細管構造を改良した。これによって、外径8mmのパイプを4mm厚さに潰し、厚さを抑えても、限界熱輸送量の目安をヒートパイプ1本あたり従来の55Wから100Wへと大幅に向上することができたという。
 フジクラは「当社は今後も冷却モジュールの高性能化を通じてお客様のご期待にこたえ、情報通信インフラのさらなる発展に貢献していく」としている。

データセンタ冷却用ヒートパイプモジュールのイメージサンプル。


ヒートパイプの作動原理。金属の中空のパイプの内部にウィックと呼ばれる毛細管力を有する構造体を設け、作動液を封入し、密閉した構造になっている。ヒートパイプの一端を加熱すると加熱部分の作動液が蒸発し、蒸気流となってもう一端の低温側へ移動する。低温側で冷却された蒸気は凝縮して液体になる。凝縮した液体はウィックの毛細管力により、加熱側に戻り、再び蒸発する。このサイクルを繰り返し、作動液体の蒸発と凝縮の相変化で効率よく熱を輸送する。