NokiaとNL-ix は9月16日(エスポー)、NL-ixのネットワーク全体にNokia Deepfield Defenderを導入したことを発表した。

　両社は「この取り組みにより、ヨーロッパ全土に展開されたIXP (Internet Exchange Point) 環境向けの最大のDDoS対策ソリューションを実現し、DDoS 攻撃を数秒で阻止して顧客と業務をより適切に保護できるようになった」と説明している。

　NL-ix ネットワークで利用される Nokia Deepfield Defender は、AIドリブンのビッグ データ分析を使用してDDoSを検出し、NL-ixがネットワーク全体に導入している Nokia FP5 ベースのルータ上で直接の緩和を実行する。
　両社は「Nokiaの高度で高性能なDDoSセキュリティ ソリューションは、あらゆる種類のDDoSを迅速かつ正確に検出し、既存のNokia のルータ上で俊敏なネットワークベースの緩和を実行する」とし、「顧客トラフィックへの影響は最小限、もしくは全く無い。このソリューションは、最新の脅威に先んじて高度なDDoS セキュリティを確保し、保護を拡張し、特に重要な業界セグメントで事業を展開している企業にセキュリティ強化されたサービス オファリングを追加する」としている。

　NL-ix のネットワークへの Deepfield Defender の導入は、WebスケールおよびIXP 企業向けのNokiaのセキュリティ機能の進化におけるマイルストーンであり、将来的に再現されるモデルとなる。

　NL-ixのCEOであるJan Hoogenboom氏は「これは、セキュリティ強化されたサービス オファリングの初提供であるだけでなく、IXPによって導入された最初のDDoS対策ソリューションでもあるため、大きな勝利だ。これは、ヨーロッパにおける主要なイノベーターとしての当社の地位を示している。当社のDDoS保護は、企業のダウンタイムをゼロにすることを、めざし、事業領域全体にセキュリティを提供する。当社のソリューションは、リモートの専用スクラビング センターを使用する代わりに、Nokiaのルータ上で直接緩和を実行するため、低遅延が維持され、転送コストが抑えられる。その結果、当社はヨーロッパ全土の接続性とセキュリティの“one-stop-shop”として機能し、お客様は複数の当事者と協力したり、第三者による保護のために複雑な取り決めをしたりする必要がなくなる」とコメントを出している。

　NokiaのDeepfield担当 ヴァイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャーであるJeff Smith氏は「セキュリティは誰にとっても最重要課題になりつつある。特に、ここ数か月で短期化、分散化、高度化、影響力の大きいDDoS攻撃が増加していることが分かっている。当社のソリューションは、Deepfield DefenderのAI/MLドリブン型DDoS保護プラットフォームとNokiaの高度なIPルータを、当社の特許取得済みSecure Genomeと組み合わせたものとなる。Secure Genomeは、インターネットのセキュリティコンテキストを追跡し、50億を超えるIPv4およびIPv6アドレスを可視化する独自のクラウドベースのデータフィードだ。これらの機能により、NL-ixはヨーロッパの企業顧客に対する保護を強化すると同時に、コストを削減し、人的エラーを排除し、NL-ixのセキュリティと自動化の全体的な規模を向上させることができる」とコメントを出している。