DustPhotonicsとMaxLinear が、5nm DSPベースのシリコンフォトニクス統合ソリューションで提携。400Gおよび800Gトランシーバを省電力化
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DustPhotonicsとMaxLinearは8月10日(イスラエル・モディイン、米カリフォルニア州カールスバッド)、シリコンフォトニクス チップセットにおいて、外部ドライバチップを使用せずにDSPから直接駆動されるレーザを内蔵し、卓越した総合システム性能を提供するために提携したと発表した。
両社は「MaxLinear Keystone DSPとDustPhotonics Carmel Silicon Photonicsチップを、ダイレクトドライブ動作をサポートするために複合し、データ通信用の光トランシーバの全体的なコストと消費電力を削減する。この複合ソリューションは、400Gbpsおよび800Gbpsのプラガブルモジュールやオンボード光学系などのアプリケーションに最適だ」としている。
DustPhotonicsチップにはDFB(分散フィードバック)レーザとDustPhotonicsの革新的な低損失レーザカップリング技術(L3C:Low Loss Laser Coupling)が内蔵されており、フォトニック集積回路(PIC)への光の非常に効率的な結合を実現する。このユニークな技術により、4チャンネルごとに1つのレーザを使用できるという。
MaxLinear Keystoneチップは、TSMCの5nmプロセスに基づいており、400Gbpsと800Gbpsの両方の動作が可能なDSPファミリの一部だ。Keystone DSPは、トランシーバ、CPO(Co-Packaged Optics)モジュール、およびオンボード光学系に豊富な機能セットを提供しながら、競合ソリューションよりも大幅に低い電力を実現する。内蔵ドライバは、シリコンフォトニクス ダイレクトドライブ用に最適化されており、このアプリケーションに業界最高の性能を提供する。
両社は「この統合ソリューションにより、すべてのIEEE仕様を大幅に上回る性能を実現できる。消費電力の面では、400Gbpsトランシーバにおいて7W以下を実現する設計ができるようになった」と説明している。
DustPhotonicsのR&D担当ヴァイスプレジデントであるYoel Chetrit氏は「DustPhotonicsは、クラス最高のシリコンフォトニクスチップを実現し、トランシーバとシステム設計者の労力をシンプル化することに注力している。当社のCarmelチップは、レーザの総数を4チャンネルの1つのレーザに減らすことでシステム全体の設計を簡素化できるだけでなく、外部ドライバを排除し、システム全体のコスト、パワー、複雑さを軽減する」とコメントを出している。
MaxLinearの光インターコネクト担当ヴァイスプレジデントであるDrew Guckenberger氏は「当社のKeystone 5nm統合ドライバDSPとDustPhotonicsのシリコンフォトニクスを組み合わせることで、当社の統合ドライバで達成可能な電力と性能の大幅な利点を実証している。400Gbpsおよび800Gbpsトランシーバに対する市場の需要が前年比2桁成長を遂げている中、この統合ソリューションは、お客様に大きな価値をもたらすことができる。近い将来、トランシーバが全面的に展開されるのを楽しみにしている」とコメントを出している。
編集部備考
- PIC関連の業界の動きとしては、センコーアドバンスドコンポーネンツ(SENKO:センコーアドバンスの在米100%子会社)が7月に、高精度マイクロ光学部品ベンダCudoForm(米国)の事業取得を発表している。
SENKOは、200/400Gをはじめハイエンドの光コネクタ市場を牽引する主要コンポーネントベンダの一角。また、CudoFormは元々旧ナノプレシジョンのキーメンバーが再結集した企業。設備と経験はそのまま受け継がれており、超精密金属スタンピング加工によって、高精度なミラー加工及び正確なビーム整形と指向性を制御する技術を有している。
SENKOはこの事業取得によって、PICやPICインターコネクトにおける技術的アドバンテージを得た。
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