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ゼロインデックスシリコンフォトニクス導波路を開発【ハーバードSEAS】

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 2015年、ハーバードSEASの研究チームは初の屈折率ゼロオンチップメタマテリアルを開発した。これは、光の位相を無限に長く延ばせることを意味する。メタマテリアルは光を操作する新しい方法であり、広範な機能を実行するために電子よりも光を使う、集積フォトニクス回路への重要な前進だった。

 そしてSEAS研究者はその技術をさらに進め、現在のシリコンフォトニクス技術に適合する屈折率ゼロの導波路を開発している。開発の過程で研究チームは、通常では見られない物理的現象、光の定在波を観察した。

 光波長が物質を伝搬するとき、その山と谷が圧縮されたり伸ばされたりする。それは材料の特性に依存する。光波の山がどの程度圧縮されるかは屈折率として表現される、屈折率が高ければ高いほど、波長は一層圧縮される。

 屈折率がゼロになる時、光はもはや動く波として振る舞わず、一連の山と谷、つまり位相として伝搬する。それどころか、波は無限に長く延びた定在波になる。位相は、空間ではなく、時間の変数として共振するだけである。

 これは集積フォトニクスには面白い、というのはほとんどの光デバイスは2つ以上の波の相互作用を使うからである。つまり回路を伝搬するときに同期して伝搬する必要がある。波長が無限に長いなら、光の波の位相整合は問題ではない。光場がどこでも同じだからである。

 しかし2015年のブレイクスルー後、研究チームはcatch-22に落ち込んだ。チップ上の光が本当に無限に延びているかどうかを調べるために研究チームがプリズムを使ったので、デバイスの全てがプリズム形状に造られた。しかしプリズムは集積回路にとって特に有用ではない。チームは既存のフォトニック回路に直接プラグインできるデバイスを開発したかった、そのために、最も有用な形状は直線ワイヤか導波路だった。

 研究チームは導波路を作製したが、プリズムの助けがないと、その屈折率がゼロであるかどうか証明は簡単ではなかった。

 ポスドクフェロー、Orad Reshefと Philip Camayd-Muñozに考えがあった。

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