Ericssonは10月9日、PPF Telecom GroupのプロバイダであるCETINやO2 Czech Republicと共に、Reduced Capability (RedCap)ソリューションを使用した先駆的な5Gユースケースのテストに成功したと発表した。

　このテストは、OEMのGemtekおよびFour-faithの商用デバイスも使用し、プラハで実施され、RedCapが様々な業界で 5G アプリケーションを拡大する可能性が強調された。
　Ericssonは「このマイルストーンは、より手頃な価格でエネルギー効率の高い5Gデバイスへの道を拓くものであり、重要だ。消費者にとって、これはスマートウォッチ、AR/VR グラス、その他のウェアラブルの頻繁な充電は無しでの接続性が向上することを意味する。RedCap テクノロジーは、企業にスマートグリッド、産業用センサ、ビデオ監視向けの信頼性が高くコスト効率の高いソリューションを提供し、運用効率とイノベーションを強化する」と説明している。

　RedCapは、スマートウォッチや産業用センサなどの低コスト デバイスとの接続において、これらのデバイスの要件に合わせて５Gの複雑さを軽減し、バッテリー寿命を延ばすことで5Gユースケースを拡大することを目的とした通信規格だ。
　RedCapが対応できるアプリケーションの例としては、消費者向けウェアラブル、ローエンドのAR/VR グラス、ビデオ監視、スマート グリッドなどがある。

　今回のプラハでのデモでは、Ericsson Radio System製品とソリューションを搭載したO2 5G ベース ステーションに接続されたRedCap対応ルータとカメラが使用された。カメラは RedCapを使用して5Gネットワーク経由でデータを送信し、その結果をWebダッシュボードに表示した。その結果、デバイスが省電力モードもサポートしていることが示された。省電力モードは、バッテリー使用量を削減し、デバイスの寿命を延ばす機能の1つとなる。
　別のユース ケースでは、RedCap非対応デバイスを集約して効率的な接続を提供できる、顧客構内(CPE)のRedCap対応機器も示された。

　CETIN、O2 CZ、Ericssonは、5G デバイス エコシステムを強化するために、CETIN のネットワークで市販のRedCap対応デバイスを引き続きテストする。Ericssonは「この取り組みの目的は、チェコ共和国の企業や消費者の間でこれらのデバイスを展開および拡張できるように準備することだ」としている。

　CETINのネットワーク開発ディレクターであるVladimír Filip氏は「当社のラボの結果から、RedCapは、多数のデバイスを一度に接続するためのコスト効率とエネルギー効率に優れたソリューションであることが確認された。これらの機能により、特に産業分野では、5G技術の導入コストを削減し、新しいサービスの導入を加速することが可能になる」とコメントを出している。

　O2 CZのCTOであるJan Hruška 氏は「チェコ共和国で初めてRedCap対応の5Gユースケースを商用デバイスで実証したサービス プロバイダであることを誇りに思っている。これは、イノベーションへの取り組みと、5Gのメリットをお客様と社会にもたらすという当社の取り組みを示している。RedCapにより、消費者と企業向けの新しい5Gサービスを実現できる」とコメントを出している。

　Ericssonのビジネスエリアネットワーク部門 クラウド＆専用 5G RAN 製品ラインの責任者であるSibel Tombaz博士は「このRedCapのデモは、チェコ市場における5Gテクノロジーの発展に向けたEricsson、CETIN、O2 CZ の共同作業の好例だ。RedCapは、当社の5G Advanced製品の重要な一部として、5Gの到達範囲とメリットをより幅広いユーザーに拡大する上で重要な役割を果たす。OEMベンダから最初のRedCap対応デバイスが登場するのを目の当たりにし、CETINとO2 CZがRedCap対応の5Gサービスの提供をサポートできることを楽しみにしている。このコラボレーションは、様々な分野の顧客とパートナーに新たな機会をもたらす上で非常に重要だ」とコメントを出している。