Ciscoが、OTセキュリティが企業のITおよびOTリーダーの最優先事項であると調査結果を発表
期間限定無料公開 有料Ciscoは7月30日、進化する産業用ネットワーク環境の重要な優先事項にフォーカスしたレポート『State of Industrial Networking Report』を発表した。
同社は「かつては周辺的な懸念事項であった運用技術 (OT) セキュリティは、世界中の組織にとって必須の焦点となっている」と指摘している。
同レポートは、組織が安全で効率的な産業用ネットワーク基盤の構築をめざす中で、今後の課題と機会を包括的に考察。産業環境の固有のニーズに合わせて特別に設計された堅牢なセキュリティ ソリューションに対する世界的なニーズと、その固有の課題を克服する機会を記している。
Ciscoのネットワーキング、SD-WAN、マルチクラウド、産業用 IoT担当シニアヴァイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャーであるVikas Butaney 氏は「運用技術、特に産業運用をサポートするネットワークは、世界中の組織にとって重要な差別化要因となっている」とし、「今回の調査では、ITおよびOTリーダーが、OTセキュリティ態勢の強化がビジネスの回復力を高め、効率性を高め、AIによる次のイノベーションの波に備えるために重要であることを認識していることが強調されている」とコメントを出している。
Ciscoの『State of Industrial Networking Report』2024年版の要点
同レポートは、Ciscoが Sapio Research と共同で実施した、1,000 人を超える業界専門家を対象とした世界規模の調査のデータに基づいている。
調査の回答者は17か国、20の業界セクターにまたがり、製造、運輸/物流、エネルギー/公共事業など、OTを頻繁に使用する様々な業界を代表している。
Ciscoは「このレポートは、年間収益が1億ドルを超える企業の経営陣から経営幹部までの調査結果を集約したものだ」としており、「産業ネットワークの接続性の需要はますます高まり、OTネットワークは企業のITネットワークと統合され、サイバー攻撃に対して脆弱な複雑で動的な環境が生まれている。レガシー システムと資産のバックログ、拡大する攻撃対象領域、過剰に負担がかかっている労働力が問題を悪化させている。将来的には、AI をうまく活用して産業ネットワークを改善できる企業にとって、AI がビジネスの成長を促進することは明らかだ」と指摘し、レポートのハイライトを次のように纏めた。
OT計画でサイバーセキュリティを優先する:産業ネットワーク戦略でサイバーセキュリティの考慮事項を優先しない組織は、攻撃の緩和にエネルギー、時間、費用を費やしてしいる。これらのリソースは、イノベーションと成長のためのプラットフォームとしての OT の設計に投資できるはずだ。
IT/OTの連携を促進する対策を導入する:OTとITは、スキルとドメインがますます重複するようになり、もはや単独で機能することはできない。データと資産を最適化して保護するには、人的要因と組織的要因の組み合わせと、統合された技術ソリューションが必要になる。
競争上の優位性のために AI を活用する:革新的なOTリーダーは、AI を使用して自社を差別化し、より高品質の製品をより早く提供している。効率を最適化し、データを活用し、従業員をサポートし、サイバー攻撃から防御するために、産業用ネットワーク インフラストラクチャをAI 用に更新しない組織は、競争に苦戦するだろう。
注目すべき統計
・回答者の89%が、サイバーセキュリティ コンプライアンスを非常にまたは極めて重要と回答
・経営幹部の92%が、統合サイバーセキュリティ ソリューションの価値を認識
・企業の41%が、OTチームとITチームが独立して作業しており、コラボレーションの改善の必要性を強調
・回答者の48%が、AIを今後5年間で産業ネットワークに影響を与える最も重要な技術的進歩と見なしている
・回答者の49%が、AIによってITとOT全体のネットワーク管理が改善されることを期待
・回答者の63%が、過去1年間に産業インフラへの支出を増やしている